・図書館制度・経営論(2015年4月~2017年3月) 合格レポート

近畿大学通信教育部の図書館司書コースのレポートです。参考程度にご覧下さい。尚、完全にコピペして出したらボツになった等の苦情は受け付けませんのでご了承下さい。

・図書館制度・経営論(2015年4月~2017年3月) 合格レポート

設題 図書館の専門職(専門的職員)が行うべき業務にはどのようなものがあるかを挙げ、それぞれ述べるとともに「これからの図書館像」(報告)を考察し、専門職としての司書のあるべき姿を論ぜよ。
解答       1行 1.専門職・司書の業務について
      2行  一般的に専門職とは医師や弁護士のように国家資格試験に合格して社会的に認められたプロを指す。プロの司
      3行 書として認められるには資格を取った後図書館で働いて経験を積み、結果を出すことによって社会的に認知され
      4行 る。さらに、図書館は成長する有機体でもあるので、新しい状況に対応するための努力と柔軟性も必要である。
      5行  専門職としての司書の業務には、レファレンス業務、選定業務、分類・目録業務、そしてコンピュータ操作指
      6行 導業務などがある。
      7行  レファレンス業務とは、主題質問の適切な処理や書誌の適切な提供や指導を行うことである。これは代表的な
      8行 専門的業務であり、ジェネラルレファレンスや特殊資料レファレンスなど多種多様である。
      9行  選定業務とは、高度な知識と教養によって利用者が求める資料を選ぶ作業のことである。これは司書の専門性
    10行 が試される業務であり、司書の力量をはかるにはもってこいである。
    11行  分類・目録業務とは、図書分類や目録作成を行う作業のことである。この作業においては深い主題知識と書誌
    12行 学知識がないと達成できない。書誌学知識がないと図書に正しくない分類番号がつけられ、配架できないことが
    13行 ある。この分類番号をつける件名付与作業は非常に重要で、本を図書館に置くためには不可欠である。
    14行  コンピュータ操作指導業務とは、コンピュータを用いてビデオ編集や映像資料をダウンロードする作業のこと
    15行 である。近年IT化が凄まじい図書館において、この作業もプロとしての実力が試される業務である。
    16行 2.「これからの図書館像」を読んで
    17行  報告書「これからの図書館像」によると、2006年3月の時点で公立図書館は2,714館存在する。その
    18行 財政状況について、本著で次のように述べられている。
    19行 『図書館の状況には、地方公共団体によって大きな格差がある。平成17年度の市(区)町村立図書館における
    20行 住民1人当たりの資料費の予算額は、平均では228円であるが、約600円の市町村もある一方で、100円
    21行 に満たない市町村もある。司書又は司書補の資格を持つ専任職員がいない図書館は約800館(約3割)ある。
    22行 年々新しい図書館ができている一方で、狭隘化、老朽化し、バリアフリー対応が遅れがちな建築後30年以上経
    23行 過した図書館も821館(30.3%)ある。』(これからの図書館像、8ページ)
    24行 つまり、図書館にかけられる予算は地方自治体によって異なり、司書の雇用にたいしてもまた然りである。大都
    25行 市の市立図書館は司書も多く蔵書も豊富なのに対し、小さな村や島の図書館は蔵書が少なく職員も1人しかいな
    26行 い例もよくある。
    27行  最近では、公共図書館指定管理者制度を導入する館が増えている。この指定管理者制度については、以下の
    28行 ように書かれている。
    29行 『平成15年の地方自治法の改正に伴い指定管理者制度が導入され、民間業者を含めた法人その他の団体による
    30行 公の施設の管理が可能となった。また、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(いわ
    31行 ゆるPFI法)に則り整備された図書館も開館した。管理運営をめぐり複数の選択肢がある中で、地方公共団体
    32行 が、地域の実情を踏まえ、住民サービスのより一層の向上という観点から、自主的な判断と責任により適切な管
    33行 理運営形態を選択することが重要である。』(同書、9ページ)
    34行 現在、最も多くの図書館で指定管理者をつとめる企業は、株式会社図書館流通センター、いわゆるTRCである
    35行 。TRCは図書館の経営や設備充実に力を入れ、資料を豊富にするための業務を行っている。私の地元の栃木県
    36行 内にもTRCに指定管理者を頼んだ図書館はいくつかある。公共図書館への予算が少なくなり、利用者がより良
    37行 いサービスを求める現代で、今後指定管理者を導入する図書館は増えていくであろう。
    38行 3.専門職としての司書はどうあるべきか
    39行  現実には、専門職としての司書が正規雇用である例はきわめて少ない。そして、正規の職員でも司書の資格を
    40行 持たない職員も多い。また、司書資格を持っているが臨時職員やアルバイトという肩書きの職員も、多く存在す
    41行 る。ちなみに私は学生時代に公共図書館でアルバイトをしていた。その時司書資格を持っていなかったが、貸出
    42行 ・返却といった業務も任せてもらえた。遠慮無く述べると、司書資格を持っていなくても図書館で働く分には問
    43行 題ないのか、と思ったことがある。
    44行  しかし、私は司書資格を持つことや専門職としての司書の育成は有意義であると、今は思う。資格の取得は努
    45行 力した証にはなるし、図書館を知る大きな一歩にもなる。新しいメディアが普及し、利用者も多種多様である今
    46行 日の社会で、図書館でも新しいタイプの業務が増えるかもしれない。それが何かは分からないが、きっと専門職
    47行 である司書にしかできない仕事が出てくるであろう。
添付  
参考
文献
「図書館制度・経営論」(2013年)柳与志夫=著、学文社
「これからの図書館像」(2006年)文部科学省
「市場化の時代を生き抜く図書館」(2007年)高山正也・南学=共著、時事通信社
・引用文献
「これからの図書館像」(2006年)文部科学省

講評

良いレポートの一つです。参考文献、引用文の活用も評価できます。


総評: 合格